飛び入り参加もあったりで非常に満足度の高いアフタートークでした。
監督入場
深「本日はアフタートークをさせていただきます。よろしくお願いします。」
深「まず少し私のことを話させていただきますと、銕仙会 能楽堂さんで高校生くらいのときから能の舞台をみてきて、いつか自分も演劇をやらせていただけたらな、なんて夢をみておりました。」
深「そして今はこの深作組の公演でそれが実現できまして、能の舞台の上で贅沢にもドイツ演劇をやらせていただいております。」
深「それではそろそろ夏川さんをお呼びいたしましょう~。」
拍手でお出迎え
ナ「はーい!よろしくお願いしまーす!」
深「3公演目ですね…」
(しゃべりながら舞台のめちゃくちゃ端っこに座ろうとしている監督)
ナ「え(笑)そんなはじっこ(笑)もっと真ん中に!(笑)」
深「いやー難しいよね、みなさんナンちゃん見えます?」
ナ「ああーお気遣いありがとうございます!」
(お客さんの視界確保するために、極力被らない位置を探して座ってくださっておりました。)
深「昨日、初日を迎えて本日3公演目ですが、今のお気持ちと体調はどうですか?」
ナ「体調はすこぶる良いです!5月のはじめ頃に稽古が始まったんですけど、GWあたりで寒暖差がすごくてちょっと体調を崩してしまって…ご迷惑をおかけしてしまいました!今はもう全快なので全力でノラを演じられる状態です!安心して下さい!」
ナ「上演する毎に、役者同士のエネルギーがどんどん高まっているのを感じているので、すごくいい状態だなって思ってます!」
深「よかったです!」(と言いながら、また座るところを探し出す監督)
深「難しいですよねこれ、皆さん見えてますか?」
ナ「もういっそ動きながらやりますか?笑」
深「よしじゃあここにしよう」
(ステージ上手の椅子に落ち着く監督、ヒザにお人形を乗せて座っていて可愛い感じになっておりました笑)
深「ナンちゃんとはオルレアンの少女でご一緒させていただいてまして。深作組の新ドイツ3部作の第1弾ですね。その前から色々と朗読公演なんかでもご一緒させていただいてるんですけど。」
深「去年、未婚の女という作品をここ銕仙会でやらせていただいて、そして今回が深作組としては3回目なのでナンちゃん3部作と呼んでます。」
ナ「わぁー!ありがとうございます!」
深「フランスを救う乙女、オルレアンの少女から始まり。未婚の女では戦争の記憶を3代で引き継いだ女性たちの孫娘、ちょっとビ◯チなね」
ナ「笑 はい、ちょっと奔放な感じの娘ですね!」
深「そしてついに人妻に!」
ナ「人妻!笑」
深「そしてお母さん!どんどん進化していってますね」
ナ「どんどんかけ離れていってる笑」
ナ「お話いただいたときに、旦那がいて更に子供もいてって言われて、どうしよう!どっちも経験がない!って思って」
ナ「経験がないところから引き出せるのか…私に…母性はあるのか?!って思ったんですけど、稽古場で皆さんに力をお借りしてここまでこれました。」
ナ「まだ母親ってこれだなってところには行き着けていないと思うんですけど。家族を演じるということは、こうなのかな。みたいなところに居る気がします。」
深「初めて舞台をやったオルレアンの少女の時は、動きも多くてアクションやラブシーンにも挑戦してもらいましたけど、舞台の経験はあったんですか?」
ナ「中学の時に演劇はやっていたことがあるんですけど、それ以来でしたね!動いてっていうのはなかなかなかったです」
深「ナンちゃんって今は妹さんたちと暮らしてるんだよね?」
ナ「そうです!妹が二人いて一緒に暮らしてるんです。」
深「長女?」
ナ「私、三姉妹の長女なんですよ!」
深「そうなんだ!」
深「初舞台からすごく大変な芝居だったけど、一生懸命やってくれているナンちゃんをみてきて、しっかりと座組を引っ張る座長としての姿を見て、そういうところが長女なんだな!って思ったんですよ。」
ナ「ええ?!そうなんですかね!姉妹の中では一番チャランポランですよ笑」
深「妹さんたちがしっかりしてる?」
ナ「はい…料理は三女がやってくれるし、お掃除は次女がやってくれるし…私…お金の係なんですよ…」
深「稼ぐ係?笑」
ナ「はい、稼ぐ係(笑)」
ナ「人形の家の中で一番近いのトルヴァルなんですよ笑」
深「そうなんだ笑 あれ?グループも3人でしたよね」
ナ「そうなんですよ、図らずもグループの方も3人です」
深「TrySailさんですよね」
ナ「はい!それももう9年…!になりますね」
深「リーダーって決まってるの?」
ナ「ないんですよ、それが」
深「ないんだ?!」
ナ「誰もリーダーできないんですよ笑」
ナ「誰かがまとめようなんて考えたら崩壊します笑」
ナ「あ!強いて言うならリーダーはマネージャーさんですね!」
会場「ああ~~」
ナ「マネージャーが ”はーい!歯磨きの時間だよー” って感じでまとめてくれますね」
深「マネージャーさんトランプとか持ってるよね」
ナ「私達が遊ぶ用のやつですね笑」
ナ「七並べを楽屋でやることがあるので。他にはウノとナンジャモンジャをいつも持ってくれていますね」
深「マネージャーってそういう仕事なんだね」
ナ「そうみたいですね」
会場「(違うよ?)」
深「ちょっとお話を戻しますね。このイプセンの人形の家。どうでしたか?」
ナ「最初に本を読んだ時は、ノラがあまりにも愚かだと思いました。現代に生きる働いている女性として、私だったらこんなことしないな、と思いますし」
ナ「トルヴァルみたいな、モラハラ野郎と結婚しようなんて絶対に思わないなって、役になかなか入り込めなかったんですよ。時代の差を感じてしまって。」
ナ「今回はその差をどうやって埋めていこうか。バカだな愚かだなと思っていたままでは演じることができないので、どうしてそうなってしまうのかを考えて自分の中で整合性をつけていきましたね」
深「その感想は、イプセンさんもあの世でひっくり返ってるんじゃないかと思うんですけど…」
(座り位置をチェンジする監督。ナンちゃんの視線が同じ方向に偏らないように気を遣ってくれておりました。)
深「うまくノラを落とし込んでいってくれていたと思います。代々ノラという役は色々な女優さんが演じてきている役で、日本の新劇にも大きな影響を与えた伝統ある役なんですけれども。」
深「ナンちゃんは全くゼロから新しいものを作ろうとしていて、愚かに見えていたのも女性を愚かに見せてしまう男性のシステムみたいなのがあると思っていて…いつもナンちゃんに説教されているような感覚になるんですよ。」
深「逆に女性の方だと、100何年前のイプセンの言葉でも共感できるなって方が多かったりするのかなーなんて思うんですよ。もっと現代の人にダイレクトに届くようにつくれたらなーって思ってます。」
深「ノラが家を出ていってしまったあと、どうなると思う?」
ナ「強く生きていってほしいなと思いますね。ちょっと遠いところまで行ってほしい。自分探しの旅に」
深「何して稼いでいくのかな」
ナ「現実的に考えると、今まで家の外のことはあまりしてこなかったから、ヘレーネみたいな仕事とかするのかもしれないですね。まずは自分にできることから仕事にしていくのかも」
ナ「稽古場でも話したりしてましたけど、勉強をし直すとかもあるかもですね。大学とかにいって、そこで自分を探し始める、とか」
深「まだまだ女性に参政権もなかった時代で、生きづらさがあって。今でこそ少し改善されて平等ってことになっているけれど、まだまだ一人で生きていくには大変だし。男性も大変だけど女性はもっと大変かなって思うんですよね。だからそういう強さが少しでも見えたらいいよね。」
深「俺はね、最近のナンちゃんを見てたら逆に帰ってくるんじゃないかなって思ったんだよね。もちろん何年かしてからね?」
深「今まで何人ものノラを見てきた上でナンちゃんのノラが本当に素敵だなって思っています。ナンちゃんと宮地さんのノラとトルヴァルを見ていると愛を感じる仕上がりになっていて。だから冒頭のシーンで辛そうにしているトルヴァルのところに戻ってきて…なんて夢も見ちゃったりしたんだよね」
ナ「他人って言いつつも、ノラはシャッターを下ろしきらないと思うので。ノラが自分を持てている状態になったのなら、トルヴァルとエミーの顔を見に戻ってくるかもしれないですね。でも元の状態には戻ることは無いんじゃないかなって思いますね。」
深「稽古場での思い出とかある?」
ナ「稽古を重ねる度に解釈が深まっていって、こんなやり方もあるなっていう発見が多くてすごく勉強になりましたね。」
深「今回は大千穐楽を水戸の水戸芸術館さんで上演するんですが、劇場に劇団があって塩谷さんはそちらの劇団員の方なんですよ。栄音も子供の頃からそこで育ってて、ずっとご一緒させていただいてきた女優さんなんです。」
深「今回さ、初めて下ができたよね。今までは深作組だと末っ子だったもんね」
ナ「たしかに!」
深「先輩からのアドバイスとかしちゃったりした?笑」
塩谷さんが登壇
ナ「どうしたの!塩さん!びっくりしたー!」
深「水戸芸術館の塩谷さんです!」
会場拍手
深「これもしかして、みんな名前呼ばれたら出ようってキッカケまってる?笑」
ナ「呼んだら来てくれるのかな笑」
深「塩さん一言!」(マイクを向ける)
塩「…あっ…大丈夫です…」
深「アドリブ弱いんです笑」
上演中はめちゃくちゃ好きに楽しんでいるように見えてましたけど笑
深「俺さ高校生の頃から塩さんの芝居見てるのよ、先輩なの」
深「でね、ある芝居ではさ、すごいいい女優さんだな!って思った人がいてね。誰だろうって調べたら同じ学校の後輩だったんだよ。その人がリンデンを演じてくれた高山さんなんだよね。」
ナ「色々な縁がありますよね!今までの舞台も深作さんが繋がりのある方で、強く一緒にやりたいって思っている方々ばかりだから、稽古場でも皆の思い出話とかを聞くと家族みたいだなって思うんですよね。」
深「これからも大好きな役者さんと作っていきたいなって思いますね。」
深「ちょっと寂しいなってお話なんだけど。ナンちゃん3部作って言ってたじゃないですか。今回がその完結編になるので、残りの公演をひと公演ずつ大切にやっていきたいなって思うんですよ。」
深「でもね、また新ナンちゃん3部作はじまるから!」
会場拍手(やったー!言質とったぞ👀)
ナ「そうなんだ!!やったー!」
深「ナンちゃん、また演劇やるとしたらどんなのやってみたい?」
ナ「いっそコメディやってみたいですね!昔からシットコムっていうジャンルが好きで…」(フルハウスとか、フレンズみたいなやつです。)
宮地さん登場 会場沸く
スッとティッシュをナンちゃんに手渡す
ナ「泣いてないですよ!笑」
深「深作組の宮地大介さんです!」
会場拍手
深「最初のオルレアンの時は、ナンちゃんのパパ役でしたよね」
ナ「そうでした!」
深「お父さんにはじまり、次はなんか」
宮「次はお母さんでしたね」
深「ちがう!ちがう!ちがう!笑」
深「同じ雑居房の女性囚人でしたよね」
宮「ああ~…(ちょっと不服そうに)」
深「で、ついに旦那ですよ」
宮「ありがとうございます。」
深「ヒヨコ群の皆さん生卵持ってきてますか?」
僕、卵12個入りを掲げる。生はアレなので茹でてあります。
ちなみにラベルは作りました。
ナ「絶対投げないでくださいね笑 怒られちゃうから笑」
宮地さんが僕に向かって深々と頭を下げだす。
(すみません!笑 サービス精神突破してます。ありがとうございます!笑)
和解できました。
深「さぁ、もうすぐ終わらないといけないお時間みたいなんですよ…」
宮「お弁当きてるからね」
(自由すぎる笑)
深「コメディ是非みたいですね。ミュージカルとかもね」
ナ「そうですね!今回も舞台上で歌うという経験ができたので!」
深「歌のお話もしようと思ってたんだよ!ナンちゃんの英語の歌って珍しいでしょ!」
会場拍手
(そう!そうなんですよ!ありがとうございます!)
深「自分で作詞とかもしてるんでしょ。ササクレとか毎日聴いてるよ!」
ナ「ありがとうございます!笑」
(もう完全に群です笑)
ナ「自分で作詞する時は、あんまり英語は使わない…んですよ。発音とかもあんまり得意じゃないので。でも今回は修行になりました!The ENDを”でぃ えんど”って言わないといけないんだなとか笑」
深「ナンちゃんの新しい活躍を応援していただきつつ、新ナンちゃん3部作もぜひ!」
ナ「そうですね!新3部作までにスキルを身に着けてパワーアップしておければなとおもいます!」
深「あと、コスプレね」
会場大拍手
深「今回がトナカイサンタで、昨日の夜がメイド服でしたね」
会場大拍手
深「あの時さ、宮地さんも執事っぽい格好してるシーンだからさ、執事とメイドのカップルに見えたんだよね笑」
深「この衣装についてはナンちゃんと一緒に考えたもので、日替わりであるので楽しみにしてて下さい」
ナ「あのコスプレのために早着替えの練習しましたからね!笑」
深「今回の舞台は女性の感想もとても気になっておりますので、ぜひ教えて下さいね。」
ナ「まだまだ東京公演と水戸公演があるので、是非観に来て下さい!」
ナ「本日はまことにありがとうございました~!」
アフタートーク終了
終始楽しく聞かせていただきました、監督の気配り、塩屋さん宮地さんのサービス精神がとても嬉しかったです。
まだまだ人形の家も続きますが、コメディ作品や新ナンちゃん3部作もとても楽しみにお待ちしております。